富士通フロンテック

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金型切削加工 スーパー繊維素材の精密切削加工

高強度FRPの高精度、高品位な加工を実現。
メカトロニクス分野へ適用の途をひらく。

加工事例

加工データ
穴径 φ5K6(8μm) 外径 ±0.025
平面度 0.03(φ400) 位置公差 ±0.025
溝加工公差 0.05 面粗度 6.3Z

技術者に聞く

どのような技術なのか

東洋紡績株式会社が開発した「ダイニーマ®」、「ザイロン®」は、有機繊維としては最高レベルの強度・弾性率をもつスーパー繊維として、自動車部品、防弾チョッキなどに利用されています。その「ダイニーマ®」、「ザイロン®」を使ったFRPをきれいに加工する方法はないか、と同研究所から相談がありました。
これまでにもFRPの切削加工を手がけたことがありましたので、それほどむずかしくはないだろう、と思ったのですが、やってみると非常にやっかいな素材で1ヶ月以上失敗の連続でした。従来の工具では、どうしてもケバだちや繊維の剥離が生じてしまいます。また、加工中、カッターの熱で繊維が劣化してしまう、という点も問題でした。

成功のポイント

やわらかい樹脂のなかに、非常に硬い繊維がはいっているという、これまでにない素材を加工するわけですから、従来のカッターでは通用しません。それならば自分で素材にマッチした刃物を作ってやろうと、10種類以上の形状をトライしました。その結果、カミソリのように薄く、なおかつ折れにくい刃であれば、うまく加工できることがわかってきました。
ダイニーマ®FRPでは、それでうまくいったのですが、ザイロン®FRPは、弾性率、強度、密度がダイニーマ®FRPの2倍近くあり、同じ方法では加工することができません。結局、それぞれに適した専用の刃具を見つけるまでに4ヶ月近い試行錯誤を繰り返し、最終的にはどちらもミクロン単位の精度で切削加工することに成功しました。
加工例のない新素材であっても、あきらめずに挑戦し続けることで、新たな技術をものにすることができたのです。

適用分野

「ダイニーマ®」、「ザイロン®」の特性から、超伝導装置や半導体装置の精密部品としての利用が期待されています。また、これまで加工が困難だったため、メカトロ部品への利用は進んでいなかったのですが、今後、金属、セラミックスにかわる材料として、適用範囲が広がっていくのではないかと思われます。

システム製造本部 五十嵐清英
Kiyoei Ikarashi
(現代の名工、高度熟練技能者、特級技能士)